鋼材は建設や製造業など様々な分野で広く利用されており、その種類は多岐にわたります。
その中でもSUSとSSは特に一般的に使用されている鋼材です。
今回はSUSとSSの特徴や用途などについて説明していきます。
【SUSとは】
SUS (サス)は「Stainless Steel」の略で日本工業規格(JIS)で定められたステンレス鋼です。直訳のとおり錆びにくい鋼です。
【特徴】
・耐食性
鉄は酸素が結合することで錆になります。
SUSはクロムを11%以上含有し、錆びにくく、耐食性が非常に高い性質です。
含有する金属の種類や量によって特徴や性質が変わります。
そのため、屋外での使用やキッチンなどの水回りの製品に多く用いられています。
・強度
SUSは強度が高く、耐熱性にも優れていて、500℃までは引っ張り強度が大きく落ちません。
また熱伝導率が低く、保温性が良い金属です。
そのため、高温環境や機械的な負荷がかかる場所でも使用できます。
・見た目
SUSは美しい光沢を持ってており、装飾用途にも適しています。
錆びにくいため塗装やメッキ加工を行わなくても、水を多く使う場所でも清潔に使用できます。
さらにバフ研磨を行うことで表面の凹凸をなくし、汚れが付着しにくくなります。
【主な用途】
・キッチン用品(シンク、鍋、カトラリーなど)
・医療機器
・建築物の外装
・自動車部品
【SSとは】
SSは「Steel Structure(構造用鋼)」の略で日本工業規格(JIS)で定められた一般的な構造用圧延鋼材のことを指します。
SSは特に構造物の骨組みとして使われることが多い鋼材です。
【特徴】
・コストパフォーマンスが良い
流通量が多く短納期で手に入れやすく、他の金属と比べて価格も安いため、広く使用されている材質です。
・強度
軟らかすぎず硬すぎない適度な強度と加工性のバランスが良く、溶接や切断が容易です。
・耐食性
SUSに比べると耐食性は劣りますが、めっき加工や酸化被膜といった適切な防錆処理を行うことで問題を軽減できます。
【主な用途】
・建築物の骨組み
・橋梁
・船舶
・工場設備
SUSとSSはそれぞれ異なる特性を持ち、用途も異なります。
耐食性が求められる環境や、美しい外観が必要な場合にはSUSが適しています。
一方、コストパフォーマンスを重視し、広範な用途で使用する場合にはSSが適しています。
状況に応じて、適切な鋼材を選ぶことが重要です。
最後にSUSとSSの違いを表にまとめています。
適切な鋼材選びの参考になれば幸いです。
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