溶接とは?種類や方法、メリット・デメリットを説明!

製缶加工を行ううえで欠かせないのが溶接です。

溶接は金属やプラスチックなどの材料を高熱で溶かし、一つに接合させる技術で製品を製作する際、溶接で複数の金属を接合します。

溶接と一口に言っても色々な種類、方法があります。

この記事では溶接の種類や方法、メリット・デメリットを説明していきます。


【溶接のメリット】

・大型で強い構造物を造ることができる

・製品重量を軽減することができる

・作業工程が少なく、製作期間を短くすることができる

・ネジやボルトでの接合に比べ、水密・気密性を保つ構造物を容易に造れる


【溶接のデメリット】

・母体を融解することで流動的になり、寸法精度の維持が難しい

・独特の欠陥が発生する

・接合によって強く結びつくため、加工後の解体が難しい

・製品の形状などに不連続性が生じる


以上が溶接のメリットとデメリットになります。



【溶接の分類】

溶接は大きく分けて3つに分類されます。


融接(溶融溶接)

3つの分類の中で最もメジャーな方法で材料に機械的圧力を与えずに行います。

材料の接合部分を加熱して材料同士をくっけ合い、冷却し凝固する方法です。

この方法とは別に接合部に溶加材を使用するものもあります。

融接の中にはアーク溶接、一部のガス溶接、レーザー溶接などがあります。


メリット

・大きな素材でも溶接しやすく、接合強度が高い


デメリット

・人の手で溶接するため、品質にばらつきが出る



圧接(加圧溶接)

材料の接合部同士を密着させ合い圧力を加えることで溶接する方法です。

圧接は機械的圧力により正確に力を加える溶接が可能となります。

また、圧力を加えるだけの方法とは別に、接合部を加熱してから圧力を加えるものもあります。

圧接の中には鍛接、ガス溶接、抵抗圧接などがあります。


メリット

・機械で毎回同じ圧力をかけることができ、品質の維持がしやすい

・大量生産にむいている


デメリット

・他の溶接方法と比較すると接合部の強度が劣る



ろう接(ろう溶接)

溶接する素材間を溶かさず、加熱して液状にした溶加材で溶接する方法です。

融点450°以上の溶加材を使用する「ロウ付け」と、融点450°未満の溶加材を使用する「はんだ付け」があります。これらをまとめてロウ接法とも呼びます。

ろう接の中にはアークろう付け、抵抗ろう付け、トーチろう付けなどがあります。


メリット

・素材自体に熱や圧力を加えないため、素材を傷つけずに溶接できる

・異なる素材同士の溶接が可能


デメリット

・融接と比較すると強度が劣る



【溶接方法】

3つの分類の中から実際に使用されることの多い溶接方法を説明します。


アーク溶接

融接の中でも最もさまざまな産業分野で用いられる溶接方法です。

アーク放電と呼ばれる放電現象を利用し、電極と作業物の間に電気アーク(放電)を生じさせ、その高温(5000~20000℃)で材料を溶かし2枚の金属を接合する方法です。

アーク放電は気体中の放電現象の一種で、電流が流れている2つの電極が離れた際、電極に流れていた電流が空中に流れようとしておきる現象です。


メリット

・火花がでず、作業がしやすい

・作業音が静かで仕上がりがきれい

・機械が比較的安価で手に入れやすい


デメリット

・溶接速度が遅い

・防護グローブ、防護服、防護マスクが必要

・溶加材の使用は手作業のため、下向き以外の姿勢は作業性が劣る

・高温の作業で、電気を使用するため適切に行わないと重大な事故に繋がる


アーク溶接は消耗型電極溶接と非消耗型電極溶接に分けられます。


消耗型電極溶接・・・被覆アーク溶接、マグ溶接


電極である溶接棒自体が溶加材となるため、定期的に変換する必要があり、手間がかかる溶接方法ですが、自由度が高く、さまざまな金属を溶接できるため、アーク溶接の中では最も用いられています。


非消耗型電極溶接・・・ティグ溶接、プラズマアーク溶接


非消耗型電極溶接は、電極を溶かしたり交換したりする必要がありません。

電極は溶けずに別で溶加材を用意し、外部電源を使って、金属と電極の間にアークを発生させます。

消耗型電極溶接よりも高速で、より多くの種類の金属に使用することができますが工程が複雑で、より高度な技術と精度が要求されます。



TIG溶接

放電用電極にタングステンを使い不活性ガス(アルゴンガスやヘリウム)で保護しながら溶接する方法です。

溶融池には、溶加材として溶加棒や溶接ワイヤを添加します。


メリット

・アークが安定して供給できる

・スパッタがほとんど発生しない

・溶接部は緻密で気密性に優れている

・仕上がりがきれい

・ほぼ全ての金属が溶接できる


デメリット

・溶接速度が遅い

・溶加材の使用は手作業で行われるため、下向き以外の姿勢は作業性が劣る

当社の職人さんがTIG溶接の見本を作ってくれました!



半自動溶接

溶接ワイヤを自動で供給しながら作業は手作業で行う方法です。

不活性ガスを使用して金属の酸化を防ぎながら溶接します。


メリット

・作業速度が速い

・一貫性のある仕上がり

・連続して溶接できる


デメリット

・TIG溶接と比較すると見た目の仕上がりが劣る

・ノンガス溶接機の場合はヒュームやスパッタが多く発生する

当社の職人さんが半自動溶接の見本を作ってくれました!



ガス溶接

可燃性ガス(アセチレン)と酸素が結びついて燃焼する際に発生する熱を利用して金属などの材料を溶接を行う方法です。


メリット

・溶接時に火花が散りにくく、接合部が見やすい

・場所を選ばずに溶接できる


デメリット

・不要な範囲まで加熱してしまい歪が発生しやすい

・爆発や火災のリスクがある


【依頼時の注意点】

最後に溶接を依頼する時の注意点です。


・技術力はあるか

・製作の実績

・納期はきちんと守られるのか

・溶接の資格を所持しているか


その業者のホームページなどを見て、以上の注意点を確認すると良いでしょう。



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